コミュニケーションツールと“持ち寄り型”プロジェクトマネジメント - DevLOVE関西#87 その1

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DevLOVE関西主催の勉強会に初めて参加してみました。というわけで書き起こしを。
だいぶ長くなったので端折ってる&整理してます。

ポエム駆動開発 エンタープライズ

登壇者:こしば としあきさん(@bash0C7)
ピクシブ株式会社

ポエム駆動開発とは?

pplogさんのこの記事にものすごく共感した
→ポエムの共有をして意思決定のスピードを上げる
→サービスを開発する前にポエムを書く
→思いを共有しておき、いつでも立ち戻って振り返れる

つまり『コンテキストの共有』が大切

ではポエム駆動開発エンタープライズとは?

エンタープライズとは経営資源の投入
投入するからにはやる理由やらない理由を説明しないといけない
→それをポエムから始めようということ

pixivchatの例

pixivchatはクローズの判断を一旦下したのだが…

社内のメンバーがpixivchatへの思いをesa.ioに投稿

あれこれコメントがついた

なんか新しいプロダクトを創りだした

ロードマップまで笑

『新サービス現在開発中』とユーザーに告知するまでになった

イデアについて

  • 上から降ってくる
  • 横から割り込まれる
  • 足元から湧いてくる

この3つのパターンに分類される

足元が湧いてくるとは?

こういうのやったほうがいいんじゃない?っていうのがメンバーや役員から持ち上がってくる
KPI・お問い合わせ・プラットフォーム・自分たちの理想が源泉となっている

でも湧いてくるというのは賞味期限が短い
→飲み会で盛り上がって終了
→じゃあポエムを書こう

ポエムの書き方

好き勝手に書くのではなくポエムの書き方をこしばさんが決めてみた

理由としては

  • 理屈ではなく熱意を感じたい
  • 日報は遠い日の話を書けない・エモいことも書けない
  • チャットは端的な発言になってしまう

だから反芻して発信しよう!ということ

ポエムの流れ

  1. 天啓を得る
  2. ポエムを書く
  3. 興味ある人からコメントが集まる
  4. プランとしてまとめる
  5. 有志が集まってMTG
  6. 承認を得る
  7. プロジェクトが立ち上がる

現在

数十から百数十のポエムが存在する
新卒が入社数日でポエムを書く
→議事録やアイディアメモが陽の目を見るようになった

ポエムを書くまでの悩み

マネージャーは発言しやすい
→そんな立場の人でも思いを発信する場がないことに気づいた
wikiは書いたら消えない
issueは閉じることに意味がこもってしまう(お前の話は聞かんみたいな)
飲み会は話が散らかる
言い出す勇気が必要

自分自身の、会社でポエムを発信することへの躊躇に気づいた

ポエムスタート

オフィシャルにesa.ioを使うことにした

全体の会議でポエムを書こうと言った
また自分でポエムとは何かを述べた
esa会もした
ピクシブのエンジニアブログにもポエム駆動開発エントリーを書いた

持ち寄られるようになった(なんかしらんけどとのこと笑)

ポエムを書くようになって

ふと浮かんだアイデアを意見提案してくれる(プロジェクト横断で!)
プロジェクトで試してみたことを書いてくれる
一ユーザーとしての観点として、リリース後のものに対するフィードバック
開発スケジュールの管理
広告についても、みんなが知ってほしいから書いてたりする

やったこと・してないこと

やったこと

ツールの意図の説明をした
自分から理想の利用者を演じることにした
→率先してスター・コメント・介入をしていく
意図と違う使い方を黙認した
→タスク管理ツールじゃないけどまあいいよ

してないこと

カテゴリ分けはしなかった
細かいルール策定もしなかった
→それでも使われているのは何でだろう?再現性を作りたいと思っている

質疑応答

Q.ポエム導入を小さくはじめなかったのはなぜ?
A.導入についてどう進めるかをトップに相談してみたところ、全社的にやってみたら?というアドバイス
じわじわよりパワーで進めるのもアリだなと思った

Q.esa.ioを使うことにしたのはなぜ?
A.docbaseやQiita:Teamというツールがあったのは知ってたけど、見た目がかわいかったからesa.ioにした
理由としては技術者以外にも使ってほしかったから
→エンジニア主体ならQiita:Teamでいいんじゃない?

Q.声の大きい人のほうが力が強くなってしまうのでは?
A.プレゼンではなく文章に書くからこそ、そういったことがそれが抑えられたのでは
1行はするどいから数行かこうとかのポエムのルールも寄与した
また、ポエムを読んで、誰がどう思うかっていうのを考えていながら書いてもらっている
肩書で左右されてしまう問題はピクシブの組織の性質上今のところはない

Q.長い文章を書いてくれるけど意味不明ということはないか?
A.長い文章を書いてくれるけど意味不明っていうのもあるにはあるが、書くこと自体に責任が伴うということを伝えている
またマネージャーとして寝かしたほうがいいとかのアドバイスはしてあげる
Save as WIP Ship it!という機能を使って通知が飛ばないようにできるから、それも有効活用している

Q.導入してみて盛り上がりに欠けたりかもしれないが…
A.初動を起こす人フォローする人それぞれが個性として認めている
やはりhubとなる数人のフォロワーからスタートするのがいい
人事考課とかでも賞賛するようにしている(楽しく意見を言えるように会社側もフォロー)
結果としてドキュメントを書くことが楽しいと言ってもらえたのが嬉しい


追記

こしばさんがスライドをアップしてくれていたので載せておきます。 inside.pixiv.net


その2へつづく。